第二章 道を行け(五十一)

 寅蔵の生家は大坂の町人らしく門徒であるが、道具屋は茶道具を通じて禅書や禅語を弁(わきま)えるのが尋常だ。とはいえ寅蔵がこの禅語を知ってい...