台風7号が15日、和歌山県と兵庫県に相次いで上陸し、日本列島を縦断した。山陰両県では鳥取県東部を中心に大雨となり、県内で線状降水帯が発生。気象庁は同日午後、鳥取市に大雨特別警報を発表。同市と琴浦町の全域、八頭町の一部の計8万8853世帯19万9256人に最も高いレベル5の「緊急安全確保」が出た。同市佐治町では佐治川に架かる高山橋が一部崩落。国道482号が通行止めとなり、町内11集落の474世帯1014人が孤立した。(取材班)
同日午後7時までに、県内で人的被害は確認されていない。八頭町の家屋裏で土砂崩れがあったほか、三朝町の家屋1棟が床下浸水した。県は、鳥取市と三朝町に災害救助法の適用を決めた。
鳥取地方気象台によると、降り始め(14日正午)からの総雨量は15日午後7時までで、佐治(鳥取市)498ミリ▽鹿野(同)415ミリ▽智頭(智頭町)300・5ミリ▽鳥取211・5ミリ-など。佐治では午後5時までの24時間降水量が、8月の平年降水値の2・8倍に当たる465ミリを記録した。
県は佐治川ダム(鳥取市佐治町尾際)に流れ込む雨量が多く貯水できなくなったため、流入する水と同程度の水を流す緊急放流を3時間にわたり実施。午後6時現在、千代川など6河川で氾濫危険水位を超えた。
緊急安全確保のほか、鳥取県内ではレベル4の「避難指示」が3市町の計2万6284世帯5万8334人に出た。島根県内では同日夜、松江、雲南両地区に大雨警報、安来市と奥出雲町に土砂災害警戒情報が発令された。
山陰両県発着の航空便は29便が欠航。JR西日本中国統括本部は鳥取県内の山陰線、因美線、伯備線で、大部分が運休。島根県では木次線の木次-備後落合間で運転を見合わせた。
16日も4路線で始発から終日運転を見合わせ、鳥取県内を走る特急も全て運休か部分運休する。16日に山陰両県で予想される1時間降水量は25ミリ、同日午後6時までの24時間降水量は多い所で150ミリ。














