古来、祈りの場には、社などの建物はなく、山や川、岩や石など自然そのものに神が宿ると考えられていた。奈良時代に編さんされた『出雲国風土記』(733年)には岩や石に関する記載が多く登場し、現在でも出雲では親しみを込めて「石神(いしがみ)さん」と呼び、信仰の対象になっている。

 出雲で最古の巨石信仰跡は、出雲...