もちだ寺子屋で自習したり、友だちとおしゃべりしたりする子どもたち=松江市東持田町、持田公民館
もちだ寺子屋で自習したり、友だちとおしゃべりしたりする子どもたち=松江市東持田町、持田公民館

 持田公民館(松江市東持田町)が小学生を対象に夏休み期間中に開く「もちだ寺子屋」が人気を集めている。大人の指導員が勉強を教えたり見守ったりする仕組みで、地域のボランティアや地元大学生の協力を得て平日は毎日開いている。子どもたちにとっても友達に会える居場所として定着している。

 子どもたちが自主学習できる場所をつくろうと、2017年に始め、新型コロナウイルス禍でも毎年開催。隣接施設で児童クラブが開かれているが、利用には学年などの要件があるため、誰でも利用できる寺子屋は保護者にとっても重宝されている。校区の持田小学校の児童約300人のうち、今年は過去最多の117人が利用登録している。

 運営を支えるのは、十数人の住民ボランティアと公民館が開く自転車イベントで縁ができた島根大サイクリング部の学生たち。平日は毎日午前中、数人態勢で子どもたちを迎え、夏休みの宿題などの自習をサポートする。今年初参加の同大2年の伊藤拓海さん(19)は「子どもや地域と関わる機会にもなり楽しい」と話す。

 子どもたちにとっては「行けば誰かに会える」ことも利点で、今年の夏休みは多い日に1日で70人ほどの利用があった。自習以外に友達としゃべったり、はやりのルービックキューブで遊んだりと過ごし方はかなり自由で、よく利用する持田小学校5年の福田吏隠(りおん)君(10)は「ここに来ると、友達と次の遊びの約束ができる」と笑顔で話す。

 家と学校の中間的な雰囲気づくりを心掛けているといい、事業に取り組む野津篤館長(71)は「夏休みに乱れがちな生活のリズムを整える意味でも利用してもらいたい」と話した。(勝部浩文)