盆旗に彩られて出港するシャーラ船=島根県西ノ島町浦郷、浦郷漁港
盆旗に彩られて出港するシャーラ船=島根県西ノ島町浦郷、浦郷漁港

 【西ノ島】島根県西ノ島町の美田地区と浦郷地区で17日、お盆に迎えた先祖の霊を送る「シャーラ(精霊)船送り」があった。台風7号のしけの影響で1日順延となったものの、盆旗で帆を彩られた手作りの船が、多くの人たちに見守られながら沖に向かった。

 各地区の岸壁には、朝からシャーラ船の周囲に近所の人が訪れ、施餓鬼札を納めて線香を上げた。各戸から寄せられた「南無大師遍照金剛」などと書かれた無数の盆旗が付けられた帆が立てられ、時間になると引き船に引かれて出港した。

 浦郷地区では長さ約5メートル、帆を入れた高さ約10メートルのよしずやわら、木材でできたシャーラ船「佛行丸」に中学3年生6人が乗り込んだ。住民らは浄土に向かう先祖の霊に供えるため、自宅でやかんに入れた水を船にかけた。3人の僧侶が経を唱える中、午前9時に離岸。漁港内を3周して集まった約200人の住民が静かに祈りをささげた。

 近くの岸本俊彦さん(88)は「違う材料だが、船は昔の姿そのものできれいだった」とし、浦郷区長の河内正成さん(70)は「絶好のコンディションで送ることができた。浦郷地区は昔の形を残していきたい」と話した。  (鎌田剛)