7日ぶりに水が出て喜ぶ住民=22日午前10時40分、鳥取市佐治町加瀬木
7日ぶりに水が出て喜ぶ住民=22日午前10時40分、鳥取市佐治町加瀬木
現地事務所の看板をかける平井伸治知事(左)と奥本倫久所長=鳥取市佐治町加瀬木、鳥取市佐治町コミュニティセンター内
現地事務所の看板をかける平井伸治知事(左)と奥本倫久所長=鳥取市佐治町加瀬木、鳥取市佐治町コミュニティセンター内
7日ぶりに水が出て喜ぶ住民=22日午前10時40分、鳥取市佐治町加瀬木
現地事務所の看板をかける平井伸治知事(左)と奥本倫久所長=鳥取市佐治町加瀬木、鳥取市佐治町コミュニティセンター内

 台風7号がもたらした記録的な大雨による被害の発生から22日で1週間となった。鳥取市佐治町内126戸で続いた断水は同日未明に復旧し、断水は全て解消。住民は普段の生活を取り戻しつつある。県は佐治町内の道路や河川の本格復旧に向け、現地事務所を開設して作業を進める。(岸本久瑠人、福間崇広)

 鳥取市佐治町の加瀬木、高山両地区で21日まで断水が続いた。佐治川に架かる橋の一部が崩落し、橋に設置されていた水道管が流されたことなどが原因。被災した水道管の仮復旧作業が終わり、22日午前3時半に給水が再開され、7日ぶりに各家庭に水が通じた。

 佐治町加瀬木の西尾勉さん(72)は、蛇口から流れる水を見て「これで普通の生活ができる」と喜んだ。断水中は親戚が持ってきてくれた水にタオルを浸して体を拭き、食事も作ったという。暑さで汗をかいても入浴できず、「早く風呂に入りたい」と話した。

 国道や県道など143件の被害が確認される道路の本格復旧には、さらなる時間がかかりそうだ。

 県は22日、道路や護岸が崩落するなど大きな被害に見舞われた佐治川流域の復興対策を担う現地事務所を、鳥取市佐治町コミュニティセンター内に開設した。県職員7人が常駐し、国の災害査定への対応や工事方法の検討など本格的な復旧に向けた作業を、鳥取市と連携して進める。

 現地事務所の立ち上げ式後、平井伸治知事は記者団に対し「住民の生活を取り戻すべく、全力を挙げて頑張りたい」と力を込めた。その後、視察のため来県した岡田直樹地方創生担当相と鳥取県琴浦町内で面会し、早期復旧に向けた財政支援などを求める緊急要望書を手渡した。

 台風7号は15日に鳥取県に最接近し、県東中部にかけて線状降水帯が発生。気象庁によると、県内で最も降水量が多かったのは佐治(鳥取市)で、同日中に515・0ミリが降り、1日で8月平年値の3倍に迫る雨量だった。

 県によると、鳥取市佐治町や鳥取県八頭町など県東部を中心に一時最大857世帯1820人が孤立。鳥取市佐治町と河原町の7地区、八頭町の2地区で計604戸が断水した。住家被害は全壊が鳥取市で1棟、床上浸水は鳥取、倉吉、三朝の3市町で10棟、床下浸水は鳥取、倉吉両市を中心に40棟。農林水産関係の被害額は28億円以上の見通し。