日本ワインコンクールで銀、銅賞を受賞した島根ワイナリーのワイン=出雲市大社町菱根、同所
日本ワインコンクールで銀、銅賞を受賞した島根ワイナリーのワイン=出雲市大社町菱根、同所

 国産ブドウで醸造したワインの品質を競う2023年「日本ワインコンクール」で、島根ワイナリー(出雲市大社町菱根)が出品した全5銘柄が入賞を果たした。国内の醸造所が増え国産ワインの品質が向上する中で、安定した質の高さが認められた。

 国産ワイン唯一のコンクールで、業界団体などでつくる実行委員会が03年から毎年開催。23年は、過去最多となる31道府県の123醸造所が、12部門に計709点を出品した。国内外の専門家ら25人が香りや味、見た目を審査。受賞率は金賞4%、銀賞10%、銅賞16%だった。島根ワイナリーはコンクールが始まった03年から毎年出品し、全品入賞は04年以来、2回目となった。

 カベルネ・ソーヴィニヨンなど欧州系のブドウ種を原料にした「赤」部門で、フルボディーでしっかりとした渋みが特徴の「横田カベルネ・ソーヴィニヨン2020」が銀賞を獲得。原料のブドウは島根県奥出雲町内の標高400メートルの自社農園で栽培し、昼夜の寒暖差で皮の厚みや実の締まり具合、色づきが良くなったという。

 そのほか優良契約農家から仕入れたブドウを使った「縁結」シリーズの3銘柄と、発酵に清酒の酵母を使った「清酒酵母仕込甲州」が銅賞となった。

 島根ワイナリーの新藤正人社長は「ブドウ栽培から醸造、出荷までこだわりを持ち改良を重ねてきた成果が出た」と話した。(奥原祥平)