あいさつで組合の歩みを振り返る渡辺健次組合長=安来市古川町、夢ランドしらさぎ
あいさつで組合の歩みを振り返る渡辺健次組合長=安来市古川町、夢ランドしらさぎ

 安来市特産の養殖ドジョウを手がける「やすぎどじょう生産組合」が設立20周年を迎え、関係者約50人が2日、市内で記念式典を開き、歩みを振り返るとともにさらなる飛躍を誓った。

 市内では昭和30年代(1955~64年)以降、養殖が試みられ3度の失敗を経た。1999年以降の4度目の挑戦は、市もてこ入れして稚魚の大量生産と専用の餌の開発に成功。2003年8月に生産組合が組織された。

 安来産は休耕田を活用して適度な密度で育て、骨が軟らかく、くせがない。ピーク時の09年度には4・9トンを生産し、露地養殖では全国一の産地。新型コロナウイルス禍で落ち込んだ需要も回復の兆しが見え、23年度は生産量3・5トン(前年度比30・5%増)、販売額1200万円(同20%増)を見込む。

 大消費地・東京都やかば焼きにして食べる石川県などに出荷するが、地元での消費拡大がさらなる飛躍の鍵。式典後に渡辺健次組合長(77)=安来市西赤江町=は、スタミナ食のウナギより鉄分やカルシウムが多く脂質が少ない点に触れ「健康食材としての利用価値はまだある」と展望した。

 記念式典には島根県の丸山達也知事、地元の田中武夫市長らも出席し生産者の努力をたたえた。(桝井映志)