島根県警察学校(松江市西浜佐陀町)、県立農林大学校(大田市波根町)、県立東部高等技術校(出雲市長浜町)の3校の食堂で食事が提供できないトラブルが起きていることが5日、各校への取材で分かった。各校は弁当を発注するなどして急場をしのぐ。食堂運営事業者「ホーユー」(広島市中区)の山浦芳樹社長は取材に「給食を提供できなくなったのは申し訳ない」と謝罪。現在は破産手続きを進めているとした。

 同様のトラブルは広島県と静岡県の県立高校や特別支援学校などでも起きており、全国に広がりをみせている。

 島根の3校については8月31日以降、ホーユー側の調理担当者から「体制が整わず、食事が提供できなくなる」との相談があった。ホーユーから正式な案内はないという。

 約70人在籍の警察学校は4日朝から、3食ともに弁当で対応。寮生19人の農林大学校は残った食材で6日まで食堂を営業し、7日以降は昼夜を弁当で賄う。朝食は調理員に手当を支給し、当面継続する。

 職業訓練生34人が入寮する東部高等技術校は、5日の朝食を最後に食事の提供が停止。今後、昼、夜食は弁当を手配し、朝食は職員が近隣のコンビニやスーパーで調達するという。総務課の佐々木弘主任は「新たに給食業務を請け負ってもらえるところを探したい」と話した。

 県教育委員会によると、ホーユーと契約する県立学校の寄宿舎はない。

 ホーユーのホームページによると、同社は官公庁や学校の食堂の運営をしており、西日本を中心に島根や鳥取など全国22カ所に営業所を構える。2020年4月時点の従業員数は正社員78人、パート従業員508人の計586人。

       (取材班)