ひ門を操作する安長雨水ポンプ場。操作の不手際により周辺の住宅街で浸水被害が発生した=鳥取市南安長1丁目
ひ門を操作する安長雨水ポンプ場。操作の不手際により周辺の住宅街で浸水被害が発生した=鳥取市南安長1丁目

 今夏の台風7号で豪雨に襲われた鳥取市で、河川の水が住宅地に流入するのを防ぐ「ひ門」の閉鎖が不手際で約2時間遅れ、同市南安長1丁目の住宅街で浸水被害が発生したことが7日までに分かった。被害は20件で、鳥取市と市の委託で、ひ門を運転操作する市環境事業公社が被害に遭った住民に謝罪した。復旧費用は公社が全額補償する。

 鳥取市下水道企画課によると、8月15日午後4時半ごろ、市内を流れる野坂川の水位が上がったため、公社の職員2人が河口付近の南安長1丁目にある安長雨水ポンプ場で、ひ門を閉める操作に当たった。ひ門の開放を示す赤いランプが点灯していたが、赤を閉鎖の表示と勘違いし、閉める操作をしなかったという。

 同じ時間帯に住宅街の雨水を排出させるポンプを稼働させていたが、ポンプ場内の水位が下がらず、職員がひ門を確認したところ閉まっていない状態に気付いた。午後6時40分に閉め、その50分後に水位が下がったという。

 市が地元の南城北自治会を通して一帯の計189戸に浸水被害状況を尋ねたところ、1日時点で床下浸水6件をはじめ、車やエアコン室外機の浸水など計20件の被害報告があった。

 閉鎖の遅れは8月18日に公社から市に報告があったという。市は公社に対し、職員の再教育や人員配置の見直し、ひ門操作訓練の実施などを求め、指導した。市下水道部の山根陽一次長は「大変申し訳ない。誠心誠意対応していきたい。再発防止の徹底を指導していく」と話した。(福間崇広)