人口減少が著しい松江市美保関町の北浦地区で交流の場をつくろうと、有志が地元食材を集めた海辺市を24日に初めて開く。スーパーマーケットがない同町内で高齢者に食材調達の機会を提供するとともに、世代間のつながりをつくり、将来のまちづくりに発展させる。
北浦海水浴場を会場に2カ月に1回のペースで開く。初回の24日は午前10時~午後2時に開催。地元野菜、糀(こうじ)、サザエご飯など地元の出店者に町外の事業者を加えた計10業者がブースを出すほか、地引き網体験も企画する。
発案のきっかけは止まらない人口減だ。美保関町では毎年100~150人のペースで人口が減り、2052年には現状より約6割減の1644人となる推計データ(しまねの郷づくり応援サイト)がある。
北浦地区は人口約160人にとどまり、危機感を強めた自営業者や会社員ら20~50代の約10人が昨冬に「北浦のミライを考える会」を立ち上げ、打開策を話し合ってきた。
北浦地区の出身者で、海辺市の実行委員長を務める諏訪奈津子さん(41)=境港市在住=は「ここは本当に魅力的な場所。多くの人に知ってもらうきっかけにしたい」と強調し、「出店や交流で生まれたつながりを、地区内の空き家対策や移住者支援につなげたい」と思いを語る。(白築昂)