ロシアのウクライナ侵攻後、北大西洋条約機構(NATO)との同盟を決断した北欧スウェーデン。ソ連の脅威にさらされた冷戦期には、中立の国是を守り抜いた。対照的な対応の裏にはどんな事情があったのか。前回に続き、スウェーデンの首相や外相を歴任した欧州外交界の大御所カール・ビルト氏に聞く。 ―スウェーデンはなぜ、ソ連の脅威にさらされていた冷戦期も中立を貫いたのか。

 「最大の要因はフィンランドだ。あの国は旧ソ連と...