羽を休めるヨズク(フクロウの別称)のような形の稲はで「ヨズクハデ」が今年も益田市本俣賀町の本山八幡宮前の田んぼにお目見えした。地域の話題づくりをしようと地元住民らが取り組み9年目。高さ6メートルの2基が周囲に秋の風情を漂わせている。10月10日ごろまで設置する。
近くの藤枝昭利さん(82)が2015年にテレビでヨズクハデを見て「地域の話題づくりに面白そうだから作ってみよう」と思い立ち、大田市無形民俗文化財のヨズクハデを作る温泉津町西田地区の保存会メンバーに教えを請い、同年秋に3基を立てたのが始まり。
初めの4年間は3基こしらえていたが、19年からは参加者の負担なども考慮して2基としている。
今年は20日に、地元有志ら男性9人が丸太を組み上げ、藤枝さんの23アールの水田で刈り取った稲約600束をかけた。
藤枝さんは「最初に始めたとき、知人から『10年は続けてほしい』と言われ、秋の実りを象徴する姿を楽しんでもらおうと続けてきた。来年はいよいよ節目の年になる」と感慨深げに話した。
(中山竜一)