自ら生きる地域の将来を良くするために、子どもたちがさまざまなアイデアを出す「山陰みらい教室」が27日、松江市内であり、島根大付属義務教育学校(松江市大輪町)の8年生(中学2年生に相当)12人が自由な発想を披露した。
山陰中央新報社と広告代理店大手・電通の共同プロジェクトで、昨年に続き2回目。6月から116人が電通の担当者からアドバイスをもらいながら、各自のアイデアを磨き、選抜された生徒が上定昭仁松江市長ら審査員に披露した。
「空がきれいに見えるまちづくり」を提案し、審査員特別賞に輝いた椿晴香さん(14)は「日々の暮らしで心に余裕が持てるようにしたい」と、きっかけを説明。星が見やすいよう街の明かりを減らしたり、青空にかかる電線を地中化したりすることなど具体策を示した。
山陰中央新報社賞の大朏(おおつき)礼菜さん(14)は、島根でも「推し活」を楽しめるよう、国宝の松江城を舞台にしたコンサートを提案。若者の地域外への流出を防げると力説した。
デジタル社会を逆手に取った「日本一電波が届かないまち」の実現というユニークな発想で、島根大学賞に選ばれた花田悠希(はるき)さん(14)は、社会問題となっているネット依存症の改善も期待できると訴えた。
審査の結果、3人と川島輝月(きづき)さん(13)=モンスターラボ賞=、堀結音さん(13)=島根トヨタグループ賞=の計5人が表彰された。発表の詳細は10月下旬ごろ、本紙で紹介する。
(小引久実)