島根県奥出雲町上阿井の可部屋集成館で、松江松平藩主をもてなした狩野派の作品や工芸品など約120点が展示されている。12月10日まで。
櫻井家は松江藩の鉄師を務め、藩主の来訪に際し、幕府の御用絵師だった狩野派の作品で迎えたという。
狩野常信の「海月図」は波しぶきを上げる海と一部雲に隠れた月を描いた。狩野春卜のふすま絵「秋草」は色鮮やかな秋の草花が美しく、繊細な筆遣いの作品が並ぶ。
七福神の持ち物が描かれた杯や室町時代の刀、藍染めや更紗の古布も目を引く。
授業の一環で集成館を見学し櫻井家の歴史を学んだ阿井小学校2年の菅田創太君(8)は「刀とかあまり見られないものが見学できて勉強になった」と話した。
集成館と櫻井家住宅・庭園の共通券は大人千円、大学・高校生650円。小中学生450円。月曜休館(11月は無休)。(狩野樹理)