江戸時代、松江藩の鉄師を務めた田部家による古代製鉄、たたら吹きが28日、雲南市吉田町吉田、市和鋼生産たたら体験交流施設で始まった。
たたらによる里づくりに取り組む企業「たなべたたらの里」が操業する。田部家当主の田部長右衛門さん(44)が里長を務める。
一般参加者21人を前に田部さんは「たたら操業だけでなく、他の産業とミックスしながら島根の中山間地を盛り上げていきたい」とあいさつした。
伝統の製鉄炉に火入れし、社員と一般参加者が翌朝まで砂鉄と木炭を交互に入れる作業を続ける。夜も操業し29日、砂鉄が溶けてできた鉄の塊を取り出す「〓(金ヘンに母)(ケラ)出し」をする。操業1回に例年、木炭を700~800キロ、砂鉄を500~600キロ使う。
たたら製鉄により出来上がった鉄は、刃物やゴルフ用パターに加工して販売する。(狩野樹理)