「そり」を生かした作品をじっくり鑑賞する来場者=松江市袖師町、島根県立美術館
「そり」を生かした作品をじっくり鑑賞する来場者=松江市袖師町、島根県立美術館

 島根県吉賀町出身の彫刻家で、4月に亡くなった澄川喜一さんの業績を振り返る追悼展示が島根県立美術館(松江市袖師町)で開かれている。同館が所蔵する彫刻作品全10点が来場者の目を引いている。2024年1月29日まで。

 東京芸術大学の学長などを務め、東京スカイツリーのデザインを監修した澄川さんは、愛着ある古里の山陰両県の美術館にも多くの作品を残した。

 展示作品は、日本刀や日本建築の屋根のような「そり」の概念を表した「そりのあるかたち」シリーズをメインにしている。ケヤキやエンジュを使い、くぎを使わず組み合わせて作られた。

 同美術館の上野小麻里(さおり)専門学芸員は「澄川さんの収蔵品全てを見ながら、彫刻制作を振り返ることができる良い機会」と話し、来場を呼びかけた。 (井上雅子)