島根県邑南町中野の中野公民館でこのほど、戦国武将のかぶとや日本刀のさやといった武具に直接触れる催しがあった。参加者は武具を手に取ったりかぶったりして、実際に使われた戦乱の時代に思いをはせた。
武具は日本美術刀剣保存協会正会員の多胡英文さん(74)=埼玉県=の所有物で、室町~明治時代に作られた約30点を展示した。多胡さんは中野地区にあった余勢城の城主だったとされる武将・多胡辰敬(ときたか)と同じルーツとみられることを縁に、町を訪れている。
多胡さんはかぶとの裏側に弓の各部の名称が詳細に書かれていることを示し「博物館にあるかぶとでは裏側までなかなか見られない」と説明した。参加者は武具を手に持ち、質感や重さを確かめていた。
邑南町中野の大隅隆さん(69)は「どれもずっしりとしていた。これを身に着けて戦っていた武将はすごい」と感心した。催しは邑南郷土史研究会が主催し、約50人が参加した。
(吉野仁士)