ダウン症の書家で、世界中で活躍する金澤翔子さん(38)の展覧会が、出雲市浜町の出雲文化伝承館で開かれており、代表作や日本初公開の作品など47点を展示している。26日まで。
金澤さんは国内外で個展を開くほか、全国各地の神社仏閣で奉納揮毫(きごう)し、2021年は出雲大社に奉納した。国連本部の「世界ダウン症の日」記念会議で日本代表としてスピーチした経験もある。
今回は20年に台湾であった展覧会の出品作を中心に展示。国内初公開で「吉祥」など縁起の良い言葉を中心に書いた作品のほか、漢字を崩した創作的な作品など多様な表現方法を楽しめる。11年の東日本大震災後に発表した代表作のびょうぶ「共に生きる」(縦1・8メートル、横3・6メートル)や、展覧会に合わせて書き下ろした「神在月出雲」も目を引く。
初日に松江市横浜町から訪れた古鉄喜久子さん(88)は「名前は知っていたが、全て印象に残る作品だった」と話した。同館の藤原雄高学芸員(43)は「パワーやエネルギーある書を実際に見てほしい」と呼びかけた。
観覧料は一般800円、高校生以下無料。休館日は祝日を除く月曜日。問い合わせは出雲文化伝承館、電話0853(21)2460。
(片山皓平)