―仏壇・仏具販売の業界ではどのような変化がありますか。
マンションやモダン住宅にお住まいの方が増加したことで、住まいの環境が大きく変化し、御仏壇の大きさやデザイン、形も多種多様になりました。従来のなじみがある襖(ふすま)1枚分の大きさで、繊細な彫刻が施されている御仏壇だけでなく、洋室やフローリングの床にも似合うデザイン性が高い御仏壇も選ばれています。

―仏壇じまいなどの話しを聞いたことがあります。
自分たちが存在するのは先祖がいてこそであることを伝えたいです。自らの都合でお仏壇をしまうのではなく、さまざまな人の力を借りて自らの生活が成り立つことを改めて見つめ直し、手を合わせて先祖に感謝する時間をつくってほしいです。

―創業131周年になります。
「いい材料でいいものをつくる」という創業時から変わらない想(おも)いに基づいて、大切な方への祈りの場・偲(しの)びの場を、地域に伝わる仏事習慣を踏まえながら時代や個性に沿った形で提案していきます。今年も5月3日から約200基を展示販売する「仏壇大博覧会」を開催します。カタログを見るだけでは分からない〝木の良さ・あたたかさ〟を感じていただきたいです。
 

―仏壇を提供するときに大事にしていることを教えてください。
100年先まで拝まれる御仏壇を作り、提供することです。創業者や先代の想いを継ぎ、仏壇の原田だからこそできる高品質な御仏壇や御位牌(いはい)・仏具のご提供に加え、御仏壇の保守や保全、お供え物、お参りの仕方を伝えることにも努めます。

―強みは何でしょうか。
島根県内を中心に5万~6万軒のお客さまがいらっしゃいます。島根にご縁のある方から依頼され、ドイツや米国などの海外、国内では関東から九州まで御仏壇を納めています。130年間積み重ねてきたノウハウと、お客さまの信頼があってこそだと感じています。今後も地元に深く根差した企業の責任と使命としてお客さまや地域のためを第一に考え、永続していきたいと思います。
 

 

当社の役割は、ご先祖さまに感謝を伝える場所を一助することです。 100年以上にわたって拝まれる御仏壇を通じて、お客様の気持ちに寄り添える心をお持ちの方をお待ちしています。

原田明成(64歳) 出雲市出身 趣味は、ギターやピアノ、音楽鑑賞、美術館巡り。 どれも演奏者や画家、使われている物によって千差万別です。 さまざまな感性を感じることができ、これからも楽しみです。