益田市匹見町の伝統食・とち餅の製造を体験するイベントが18日、同町石谷の石谷老人福祉センターであった。県内外から参加した13人が、住民から昔ながらの製法を教わってトチの実の皮むきや餅つきに取り組み、素朴な味わいを楽しんだ。
ひきみ田舎体験推進協議会が交流人口拡大を狙いに2014年から開いており、5回目。地元の加工グループ「内谷とちの実会」(村上巴代表、4人)のメンバーや地区民ら16人が指導に当たった。
とちの実会は毎年9月に標高600メートルの地元の山でトチの実を採取。約1カ月の天日干し乾燥やあく抜きに加え、地区を流れる内谷川の清流にさらす作業などを経て、とち餅を作っている。
参加者は、村上代表(77)らの指導を受け、木製の器具でトチの実の皮を割ってむいた後、餅米と一緒につき丁寧に丸めた。出来上がったとち餅は、豚汁や大根の白あえ、炊き込みご飯、里芋とゼンマイの煮物とともに味わった。
広島市安佐北区から家族と参加した中学1年渡部波志良(はしら)さん(12)は「餅をつくのが大変だったが楽しかった」とほほ笑んだ。(中山竜一)