米欧の先進国を中心に、政策金利の引き上げを見送る中央銀行が相次いでいる。これまでの強力な利上げによって、ウクライナ戦争をきっかけとした燃料や食料品の価格高に起因するインフレが峠を越えたからだ。一部途上国の中銀は利下げに転じている。金融引き締め局面は大きな転機を迎え、インフレとの戦いは終盤に入った。

 ▽FRB効果見極め

 「金融環境は(利上げに伴う)中長期の債券の利回り上昇などにより、過去数カ月の間、著しく引き...