元職員による5700万円余りの横領が発覚したJFしまね(松江市御手船場町、岸宏会長)に対し、島根県が年1回の「常例検査」とは別に、横領について検査する方針だ。特定の事案で検査に入るのは異例という。
JFしまねが昨年11月に横領の事実を把握していたのに、県への報告が今年5月だったことを問題視。水産業協同組合法では、横領や詐欺などの行為があった場合、1カ月以内に県に報告する義務があるという。
15日の県議会一般質問で県農林水産部の安木茂次長が、須山隆議員(民主県民クラブ)の質問に「法令に反して(報告に)半年を要し、新聞報道があってから第一報が出されたことは遺憾だ」と述べた。
県によると、検査時期は未定で、焦点を絞って実行できる随時検査や認定検査を想定している。横領が行われていたとみられる10年以上、不正を見抜けなかった組織の管理体制を中心に調べる。
問題点をJFしまねに伝え、JFが改善点を報告することになる。回答が不十分であれば、業務改善命令を出す場合もあるという。(曽田元気)