パレスチナ自治区・ガザでのイスラエル軍とイスラム組織ハマスの戦闘は一度休止したが、停戦への道筋は見えていない。こうした中、日本では、1980年代から30年以上ガザに入って映像を撮り続けた出雲市出身のジャーナリスト、映画監督の古居みずえさん(75)の作品が、各地で上映されている。パレスチナの人々の尊厳と命を守るため、国際社会を動かすきっかけになれば、と古居さんは願う。
(出雲総局報道部・片山晧平)
古居さんは、ジャーナリストとして活動を始めて間もない88年に初めてガザ入りした。住民との信頼関係を築き、水や電気もままならない環境でもたくましく生きる女性や子どもたちの表情をカメラに収めてきた。
ハマスがパレスチナの立法選挙で勝利した2006年、ガザ難民キャンプの女性の生活や現実と向き合う姿に光を当てた「ガーダ パレスチナの詩」を発表。主人公のガーダ・アギールさんの23歳から35歳までの生活を取材し、男性優位社会という抑圧と戦争が重なる中での女性の声を拾い上げた。

◆ ◆ ◆
記者も作品を入手して視聴した。
婚約パーティなど伝統的な行事をやめたいと家族に伝えても理解を得られず「習慣は誰がつくったの。変えられるわ」と抵抗する姿からは、自ら物事を決めようとする女性の思いが伝わってくる。
これだけなら、他の国でも大きな違いはないと感じたが、家族が過ごしている最中に、...