神木にわらでできた蛇を巻き付ける住民=島根県知夫村
神木にわらでできた蛇を巻き付ける住民=島根県知夫村

 稲わらの大蛇を神木に巻き付ける荒神祭「蛇(じゃあ)巻(まき)」が28日、島根県知夫村の7地区で営まれた。住民が集まって稲わらを編んで大蛇の頭と胴体を作り上げ、かけ声とともに地区を練り歩いて神木まで運び、各地区の風習に従って飾り付けた。



 各地区の神木に巻く蛇を年に一度付け替える古くからの行事で、地区ごとに蛇の大きさや作り方、祈願の内容、巻き方が異なる。仁夫地区(89世帯120人)では午前7時に住民30人が漁港近くの作業場に集まり、制作に取りかかった。

 知夫村には水田がないため、飯南町から取り寄せたわらを選別し、ベテランが5本の綱に仕上げた。綱を組み合わせて勇ましい蛇の頭を作り、力を込めて約15メートルの長い胴体を編んだ。完成した大蛇を住民が協力して担ぎ、「チョーヤッサ」とかけ声を合わせて、約350メートル先にある仏堂まで運んだ。

 大蛇は堂内で清め、敷地を3周してから裏手の神木に7回半巻いて据え付けた。小西秀人区長(66)は「今年も地区の人の協力があり、立派な蛇巻ができた。無病息災は間違いないと思う」と話した。 (鎌田剛)