NPO法人島根県介護事業運営研究会(出雲市平田町)が、お年寄りの脳トレや子ども知育に生かせるボードゲームを考案した。相手の駒を取り合うゲームで同時に4人で楽しめる。考案したのは、合併前の旧平田市長時代に「4人将棋」を世に出した同研究会の太田満保理事長(76)。「出雲発のゲームとして全国に広げたい」と意気込んでいる。
名前は「Manpo’s(マンポズ)4色碁石」。7×7の49マスの盤上に、4色の駒を各色12枚並べてスタートする。駒は前後左右に動かすことができ、敵の駒を跳び越すと取れる。
駒は10、5、3、2、1点の5種類で、最後に盤上に残った駒と獲得した駒の合計を競う。いかに高得点の駒を取り、取られないようにするかが勝敗の鍵を握る。4ラウンド制で1ラウンドに要する時間は約10分。スピード感あふれる展開に夢中になるという。同じ色、数字を合わせる神経衰弱としても楽しめる。
2022年9月、コロナ禍で孫と一緒に遊べるゲームが欲しいと思い立ったのがきっかけ。日頃支援する高齢者施設の利用者や、祖父母と孫で一緒に楽しんでもらえるようにしたいと商品化を目指した。23年9月にクラウドファンディングで制作費を募り、11月末までに目標の30万円を超す50万円が集まった。
出雲市内のボードゲームサロンに試作品を持ち込み、大学生から意見を聞いて改良を重ねた。「4人将棋」を考案した際にアドバイスを受けた日本将棋連盟の田中寅彦九段に監修で協力を得た。
太田さんは「シンプルなルールで地味にはまる。子どもから大人まで本気で楽しめるゲームになった」と自画自賛する。
1セット2640円。島根県内の玩具販売店などで販売するという。今後もクラウドファンディングで制作費を募集し、駒にトラやクマなどのキャラクターを配した「どうぶつ4色ごいし」や、難易度が高い81マスの「4色碁石エキスパート9×9」を制作する。(佐野翔一)