島根県庁
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 島根県が16日、新型コロナウイルスに感染し、県内の医療機関に入院していた患者1人が亡くなったと発表した。感染者の死亡は県内で初めて。島根県は全国で唯一、コロナ患者の死者がいなかったが、これにより全都道府県で確認されたことになる。

 県は遺族の同意が得られていないとして、年代や性別、居住地のほか、感染確認日や病状の経過といった詳細を公表していない。死亡日は15日。

 丸山達也知事は「医療提供体制を強化するとともに検査を幅広く迅速に行い、感染者の早期確認、早期治療を徹底して重症化回避に努める」とコメントした。

 県内では昨年4月9日に1人目の感染者が確認され、今月15日までの累計感染者数は551人。飲食店や私立高校などでこれまでに12件のクラスター(感染者集団)が発生した。

 16日午前10時現在の県内の入院患者は12人で、内訳は重症1人、中等症7人、軽症4人。確保病床(324床)の使用率は3・7%と余裕がある。県内の感染症指定医療機関は患者の重症化に備え、人工呼吸器計191台と人工心肺装置「ECMO(エクモ)」計20台を確保している。

 重症化を防ぐには早期の感染確認と治療が重要で、県感染症対策室の田原研司室長は「少しでも疑わしい場合は早めに医師の判断を仰いでほしい」と、早期にかかりつけ医に相談するよう呼び掛けた。 (佐々木一全)