「お立ち」と唱えながら梅の枝で扉をたたき、神々に出発の時を知らせる錦田剛志宮司=出雲市斐川町併川、万九千神社
「お立ち」と唱えながら梅の枝で扉をたたき、神々に出発の時を知らせる錦田剛志宮司=出雲市斐川町併川、万九千神社

 旧暦10月の「神在月」に出雲に集まった八百万(やおよろず)の神々を送る神等去出(からさで)神事が8日夜、出雲市斐川町併川の万九千神社(錦田剛志宮司)で営まれた。錦田宮司が「お立ち」と3度唱えながら梅の枝で神座の扉をたたき、神々に諸国への出発が近いことを知らせた。

 同神社は、出雲に集った神々が立ち寄り縁結びや農事などを話し合う神議(かみはかり)を締めくくる場。11月29日早朝、斐伊川の水辺で錦田宮司が龍神祭を執り行い、神々を迎えた。

 神等去出神事を前に、同神社で「湯立(ゆだて)神事」があり、神職が参列者らをはらい清めた後、「神殿祭」では錦田宮司が社殿の中で神々への感謝と人々の幸せを祈る祝詞を上げた。

 神等去出神事には「万九千さん荒れ」と呼ばれる北西の季節風が吹き荒れることが多いが、今年は穏やかな天候の中、多くの参列者が神事を見守った。(佐野翔一)