緊急事態宣言解除に関する菅首相の記者会見を伝える広島市内の大型ビジョン=17日午後7時1分
緊急事態宣言解除に関する菅首相の記者会見を伝える広島市内の大型ビジョン=17日午後7時1分

 東京など7都道府県では、緊急事態宣言からまん延防止等重点措置に移行する。東京・新宿の歌舞伎町では早い時間から居酒屋に入るサラリーマンの姿があった。1年延期された舞台を見に来たという茨城県土浦市の女性会社員(49)は「移行は五輪ありき。人出が増えており、酒を提供すると騒ぐ人が増えるのではないか」と、宣言解除は早かったとの立場だ。

 観光地での受け止めは分かれた。京都・嵐山の嵐山商店街の副会長石川恵介さん(51)は「手放しでは喜べない。自粛ムードはまだ続くだろう」と不安げな様子。東京五輪のマラソンやサッカーが開催される予定の札幌市のホテル関係者は「客足が少しでも戻るのでは」と歓迎する。大阪市の観光名所・通天閣がある新世界の串カツ店の店主代行高森衛さん(56)も「人の動きが戻れば売り上げも回復するはず」と期待を寄せた。

 神戸市中央区のJR三ノ宮駅近くにある鉄板焼き店オーナーの男性(44)は「営業できる時間を延ばしてほしい。人件費や家賃もかさみ、飲食店は限界だ」と訴えた。

 宣言解除が決まった広島県では、広島市など一部の自治体で飲食店への時短要請が続く見通し。同市中区でバーを経営する松山勇士さん(36)は「本当は営業したいが、時短ではお客さまを満足させられない」。当面は営業を再開しないつもりという。