機能的なデザインのランドセルが並ぶ土屋鞄製造所の「童具店・横浜」で商品を選ぶ親子=4月、横浜市
機能的なデザインのランドセルが並ぶ土屋鞄製造所の「童具店・横浜」で商品を選ぶ親子=4月、横浜市
イトーキが発売したジェンダーレスのランドセル「レフティア」の色の一つ
イトーキが発売したジェンダーレスのランドセル「レフティア」の色の一つ
機能的なデザインのランドセルが並ぶ土屋鞄製造所の「童具店・横浜」で商品を選ぶ親子=4月、横浜市
イトーキが発売したジェンダーレスのランドセル「レフティア」の色の一つ

 来春新入学の子ども向けのランドセル商戦で、ジェンダーレスの商品が注目されている。男の子でも女の子でも使いやすい落ち着いた色合いにして、すっきりしたデザインに。6年間一緒に過ごすランドセルは自分の好きな色を選んで、伸び伸び育ってほしいとの保護者やメーカーの願いが込められている。

 神奈川県鎌倉市の30代の男性会社員は4月、来春小学校に上がる息子を連れて、横浜市にランドセルを見に行った。棚に並んだ商品の中から「この色がいい!」と息子が選んだのは、深みのある色合いの「赤」だった。

 「男の子なんだから、当然、黒か紺だろうと思っていたので驚きました。初めは少し抵抗を感じたけれど、最近は色の種類が増えているし、男の子が赤でも不自然ではないかな」と父親は納得した様子。〝お財布役〟の祖父も「昔は男の子は黒と決まっていたが、今はランドセルも色とりどりなので驚きません」と話していた。

 この家族が訪れたのは、職人による手作りのランドセルを提供する土屋鞄製造所(東京)の「童具店・横浜」。同社は今年、ジェンダーレスをうたった「RECO(レコ)」シリーズを発売。色は黒、赤、紺、茶、グレーのシックな感じの5色。かわいらしさを強調せず、装飾を少なくした機能的なデザインが特徴だ。希望小売価格7万9千円。

 広報担当者は「以前のような男の子は黒、女の子は赤という固定観念にとらわれず、お子さんの個性に合う色を見つけてほしい。売れ行きは好調です」と話す。

 イトーキは来春入学の子ども向けに、ジェンダーレスのランドセルのラインアップ「レフティア」を発売した。北欧フィンランドをイメージしたというシンプルで丸みのあるデザイン。色は黒、紺、赤など落ち着いた雰囲気の5色。希望小売価格6万4900円。

 「いわゆる男性らしい、女性らしいとされる要素はデザインに一切使っていません」と担当者。どの色のランドセルも、男女ともに使いやすいように内装の柄などは同じだ。「男の子が赤、女の子が黒を使うことも想定しています。男女の枠にとらわれず、好きな色を選んでほしいという願いを込めました」としている。