進行性筋ジストロフィーと闘う福島匠心(たくみ)さん(13)=松江緑が丘養護学校中学部1年=が15日、松江市上乃木5丁目の同校で地元シンガー・ソングライターの門脇大樹さん(40)とデュエットライブを開いた。生徒や教員ら約50人を前に納得のパフォーマンスを披露し、歌手になる夢をさらに強くした。
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進路学習で門脇さんと出会ったことで実現した初舞台。体育館のステージで、自ら選んだ門脇さんの楽曲「まっすぐ」を含む3曲を歌い上げた。手作りのうちわを手にした同級生たちからは「最高!」「かっこいい!」と喝采が起こり、拍手がしばらく続いた。
歌声を合わせる2人の後ろでは、福島さんや学校のメンバーが登場する「まっすぐ」のオリジナルビデオも放映。夢を追い、かなえてもらいたいと制作した同級生の松尾八雲さん(12)は「今日の匠心くんはキラキラ輝いていた。みんなで応援できたらいい」と話した。
見守った母の愛さん(37)は「体のことはもちろん、夢の実現には壁もあるけれど、好きなことで努力を重ねる道のりを応援したい」と目を細めた。
歌い終えた福島さんは「緊張したけど今までで一番のパフォーマンスができた。みんなの熱気が伝わってきて、一歩ずつ焦らずに進んでいきたいと思った」とステージを見つめる。「どれだけつらいことがあっても笑顔になってもらえるような曲を作りたい」と楽曲制作に挑戦中で、今後もライブで歌声を届けようと意欲を燃やす。
(今井菜月)