倉吉市立成徳、灘手両小学校の統合に伴う校名選定で混迷し、暫定的な校名で4月に開校した成徳小学校(倉吉市仲ノ町)について、倉吉市議会(定数17、欠員1)が20日、新しい校名を「打吹」とし、来年4月に変更する学校設置条例の改正案を全会一致で可決した。
紆余(うよ)曲折した校名は結局、昨年4月の公募で最多だった「打吹」に落ち着いた。混乱を招いたことに対し、取材に応じた広田一恭市長は「関係者や児童に迷惑をかけ、心よりおわび申し上げる」と述べた。混乱の原因について、選考過程の情報公開が不足していたとして「今後はしっかり取り組みたい」と述べた。
統合校の校名は当初、公募で寄せられた341件を参考に「至誠」に決まった。その後「打吹」が150件で「至誠」は1件だけだったことが判明。選定のやり直しを求める市民団体の直接請求を受け白紙となり「打吹至誠」が新たな候補となったが、市議会の修正動議で「成徳」となった。これに対し、既存の校名は使わない前提で校名案を協議した灘手地区の住民らが反発。成徳、灘手両小は4月に統合したものの、広田市長は「成徳は暫定的な校名」として校名が再検討されることとなった。
市教委は、将来的に統合予定の明倫小学校を含む3地区の保護者や子どもを対象に投票を実施し、183票の有効投票数のうち「打吹」が最多の105票を集めた。
12月定例市議会は同日、校名変更の改正案など29議案を原案通り可決、同意し閉会した。
(福間崇広)