不登校の経験を話す阿部樹里さん=出雲市浜町、縁結び交流館
不登校の経験を話す阿部樹里さん=出雲市浜町、縁結び交流館

 出雲市浜町の縁結び交流館でこのほど、不登校の子どもや保護者を支援する団体がフェスタを開いた。手作りの品や飲食のブースが並び、支援団体の紹介をして、幅広い人に向けて不登校に関する情報を発信した。

 団体は10月に発足した「しまねスクールノマドコミュニティ」(大国貴之代表)。当事者の保護者や元当事者、教員など約10人が関わる。

 「ノマド」は本来、遊牧民という意味だが、現代では決まった場所を持たない働き方を指す。不登校の消極的なイメージを変えたいという思いから「スクールノマド」と名付けた。

 会場には手作りの品や飲食ブースなど約30店舗が並んだ。不登校の子どもや保護者を支援するNPO法人は保護者の相談に乗った。

 講演でタレントとしても活動する阿部樹里さん(34)が中学生の時に不登校になった経験を話した。学校に通学しないことで苦労もあったが、自分の心を守れたとして「子どもが生きる道をみんなで見守れる社会がいい」と訴えた。

 参加した島根大医学部3年の篠田航平さん(30)は「当事者に限らず、さまざまな人が話をできる場があるのはいい」と話した。(片山皓平)