山陰両県のJRの駅や空港は29日、年末年始をふるさとで過ごそうと帰省した人たちでにぎわった。一方JR伯備線では午後、岡山県内で線路脇に落ちていた石に普通列車が接触し、停車。岡山と出雲市を結ぶ特急やくもなどが運休し、帰省客ら約3800人に影響が出るなど、一部で足が乱れた。
JR西日本によると、自由席の乗車率は京都発倉吉行きのスーパーはくと5号が150%、新山口発鳥取行きのスーパーおき4号が110%。羽田発の航空便は米子、鳥取、萩・石見各空港着の便がほぼ満席、出雲は一部で若干の空席があった。
JR米子駅(米子市弥生町)では、JR西日本の社員らが電車を降りた人たちに山陰の銘菓を配り、歓迎した。松江、出雲市、鳥取の各駅でも、お菓子や特急やくものポストカードが入ったグッズを手渡した。
同日午前、岡山発の特急やくもで、母親とともに米子駅に到着した横浜市の小学生椎木秀成君(12)は、年末に米子へ帰ってきたのは新型コロナウイルスの感染拡大が始まる前以来といい「ゆっくり過ごしたい」と話した。
JR伯備線では午後2時10分ごろ、方谷駅(岡山県高梁市)の構内で、岡山発新見行きの普通列車が、線路脇に落ちていた縦、横、高さいずれも40センチの石2個と接触し、停車。けが人はいなかった。
周囲の安全確認をした影響で、特急やくもの上下線1本ずつを含む計10本が運休。また、6本に最大3時間40分の遅れが出た。
各交通機関のUターンラッシュは1月2日から始まり、3日に本格化するとみられる。
(古瀬弘治)