0歳児の一時預かり導入を目指す坂本亜也子さん=松江市乃木福富町、Aya母乳育児相談室
0歳児の一時預かり導入を目指す坂本亜也子さん=松江市乃木福富町、Aya母乳育児相談室

 出産間もない母親をサポートするため、松江市内の助産院が、来年4月に生後8日目以降の0歳児の一時預かりを始めようと、準備している。助産師や看護師のいる助産院が乳児を受け入れることで、現状では生まれたばかりの子どもと離れることが難しい母親が安心して出産後の休息に時間を充てられる利点がある。 (山口春絵)

 一時預かり所の開設を目指している助産院は、同市乃木福富町の「Aya母乳育児相談室」。運営している助産師の坂本亜也子さん(49)は「疲れ切ったお母さんたちを放っておけなかった」と訴える。

 産後すぐは授乳などの世話に昼夜なく追われ、睡眠不足や体の痛みから心身に疲労が蓄積しやすい。次第に、わが子をかわいがるゆとりを失うこともあるという。坂本さんは長年、乳房ケアや1歳未満の母子を支援する産後ケアに従事する中で、慣れない育児を抱え込み、産後うつや育児不安を訴える母親が増えたと感じていた。

 生まれてすぐの子どもを他所に預けるのは簡単ではない。松江市内で未就園児の一時預かりを利用する場合、1歳以上を対象とする保育所が大半で、早くても生後2カ月目から。親族に預けようにも、首が据わらないうちは敬遠されるなど頼れない家庭も少なくないという。

 こうした実情から坂本さんは、産院を退院したばかりの生後8日目以降の0歳児の預かりを構想した。増築して保育用の場所を確保し、松江市の一時預かり事業として登録する準備を進めている。

 坂本さんのほか、保育士や看護師ら必要な研修を受けたスタッフが4時間800円、8時間1600円で預かる計画。行政の委託を受けた助産院の一時預かりは山陰両県で初となる。0歳児のみ、少人数を受け入れるため、感染症のリスクも抑えられるとしている。

 坂本さんは「子育てを支えられている安心感につながるとうれしい」と話す。

 来年1月29日まで、設備整備費をクラウドファンディングで募る。問い合わせは坂本さん、メールayako1808@gmail.com