結婚相手を探す島根県のマッチングシステム「しまコ」の閲覧画面=松江市殿町、しまね縁結びサポートセンタ
結婚相手を探す島根県のマッチングシステム「しまコ」の閲覧画面=松江市殿町、しまね縁結びサポートセンタ

 島根県が、専用端末で結婚相手を探すマッチングシステム「しまコ」の利用者確保に苦心している。サービス開始から2年半が経過し、新規登録者数が減少傾向にある。登録料金を大幅に値下げした4月は1カ月間で過去最多の72人が登録したものの、5月は再び低調となり、行政サービスゆえの高い信頼性という強みを生かし切れていない。
(佐々木一全)
 しまコは、県が結婚支援策として2018年10月に導入。県内の20歳以上の男女が、顔写真や年齢を登録し、松江、浜田両市のしまね縁結びサポートセンターや県内12市町の役所にある専用端末で相手を探す。
 登録者数は今年5月末現在で621人(男性436人、女性185人)。19年1~7月は165人増だったのに対し、20年同期は71人増に鈍化しており、新規登録者数も18年度の240人をピークに右肩下がりで、20年度は登録者が1人しかいない月もあった。サービス導入後の成婚数は計9組にとどまる。
 こうした状況を踏まえ、県は男女ともに1万円の登録料金(2年更新)を21年度に限り男性5千円、女性を無料に設定。キャンペーン効果で4月は男性35人、女性37人が登録したが、5月は一転して男性13人、女性12人の計25人に落ち込んだ。
 県は通信や広報にかかる費用として毎年約1千万円の予算を充てる。登録にはしまね縁結びサポートセンターに来所する必要があり、顔合わせにはセンター公認のボランティアが立ち会うなど手間がかかる一方、安心や信頼を生む強みがある。ただ、民間のマッチングアプリなどが利用者を伸ばす中で埋没感は否めない。
 県子ども・子育て支援課の金築豊和課長は知名度不足を認めた上で「周知を含め、結婚を望む方の選択肢になり得るように取り組む」と話した。