記者会見で謝罪する岩井和恵理事長(左)=益田市元町、市民学習センター
記者会見で謝罪する岩井和恵理事長(左)=益田市元町、市民学習センター

 益田市東町のすみれ保育園を運営する社会福祉法人「すみれ福祉会」で多額の現金が使い込まれていた問題で、着服していたのは50代の元女性園長だったことが19日分かった。5年にわたって取引先への請求書などを偽造し、法人口座から少なくとも1100万円を不正に引き出していたほか、従業員の積立金からの流用も判明。被害総額はさらに膨らむとみられる。法人側は元園長が全額弁済する意向を示しているとして刑事告訴はしない考え。

 すみれ福祉会の岩井和恵理事長(91)らが同日、益田市内で記者会見を開いて明らかにした。

 説明によると、不正経理は今年3~4月の内部調査で発覚。2016年度以降、市に差し押さえられた従業員の住民税天引き分の滞納金を架空の請求書や領収書で取引先への支払いとして処理するなどして、現金を引き出していた。

 12年10月から今年3月にかけて従業員の福利厚生のための互助会積立金からも流用しており、被害総額は調査中という。

 これとは別に、保育園の保護者会から預かった現金42万2273円も私的に流用していた。

 現時点で、保護者会には預かり金の全額、すみれ福祉会には約589万円が弁済されたという。

 元園長は事務員だった11年度から預貯金管理を担当。19年度に園長に就き、5月15日付で懲戒解雇された。聞き取りに対し「親族の学費や生活費、医療費のために流用した」と説明しているという。現在、島根県と益田市が特別監査を進めている。

 会見で岩井理事長は「保護者の信頼を損なう行為で恥ずかしい。心からおわびする」と謝罪し、6月30日付で辞任するとした。  (中山竜一)