第六章 来去来(六)

 目覚めた小紫は寝入った己に驚くやら詫びるやら。毎夜毎夜、幾人もの客の相手をして、日中は芸を磨くための稽古に懸命で、つまり寝が足りていなかったらしい。手を合わせて...