緊急事態宣言が解除され、名古屋・栄の居酒屋で生ビールを楽しむ客=21日午後5時37分
緊急事態宣言が解除され、名古屋・栄の居酒屋で生ビールを楽しむ客=21日午後5時37分

 10都道府県で発令された新型コロナウイルス対応の緊急事態宣言が21日、沖縄を除いて解除された。飲食店の酒類提供などの制限が緩和され、休館していた施設が再開。繁華街では日が高いうちから酔客の姿が見られた。関係者に笑顔が戻った一方、見えぬ先行きに不安の声も聞かれた。

 広島市の原爆資料館は21日朝から再開した。旅先で働く「ワーケーション」で広島に滞在する神戸市の男性会社員(42)は待ち望んでいたといい、「戦争のことを知りたい」と入場した。福岡市科学館も再びオープン。週に5日ほど来るという女性(66)は「ずっとうずうずしていた。プラネタリウムを早く見たい」と笑顔を浮かべた。

 宣言期間中、休業していた名古屋市中区の居酒屋「一位(いちい)」では、午後5時の開店から30分ほどで10人以上が訪れた。「家で飲む缶ビールとは全然違いますね」。友人ら4人で来た男性会社員(48)は生ビールを飲み干した。

 東京・新橋の立ち飲み居酒屋「信州おさけ村」には、まだ明るいうちから常連客が次々と来店した。店長の鈴木昭夫さん(59)は「やっぱりうれしい。どんな形であれ、お酒を提供できるだけ良い」。焼き鳥店「山しな」の店主山科昌彦さん(46)は、国や自治体に「だらだらと要請を続けるのだけはもう勘弁してほしい。実のある対策をお願いしたい」と訴えた。

 札幌市の繁華街・ススキノ。複数で出歩く若者の姿も目立ったが、飲食店の営業時間は午後8時までに制限されている。すし店を営む工藤秀人さん(54)は「すぐにお客さんは戻らないだろう」と諦め口調だった。

 北海道、東京、愛知、京都、大阪、兵庫、福岡の7都道府県は宣言からまん延防止等重点措置に移行。埼玉、千葉、神奈川の3県は措置が延長された。期間は7月11日まで。酒類提供は、人数や提供・滞在時間の条件付きとなり、自治体によって内容が分かれた。