第六章 来去来(七)

 三曲合奏が終わり、小紫も胡弓の胴と弓を禿に渡している。

 おい、ぐうぐう怪獣め。今夜こそは我慢せえへんぞ。やってやる。

 寅蔵が勇み立って上座を睨(にら)みつ...