2009年に鳥取市内で発生し未解決となっているタクシー強盗殺人事件が5日、警察庁の捜査特別報奨金対象事件に再指定された。報奨金の上限は300万円で対象期間は25年2月4日まで。再指定を受け鳥取署は同日、街頭広報を実施、通行人に幅広い情報提供を呼びかけた。
事件は09年7月17日午後9時40分ごろ発生。タクシー運転手下田和雄さん=当時(60)=がJR鳥取駅北口から乗車した犯人に拳銃で撃たれ、同市立川町6丁目の路上で殺害された。犯人はタクシーを奪い約2キロ先に乗り捨てた。現場に防犯カメラはなく、目撃者も確認されていない。
鳥取署は捜査本部を設置し、これまでに延べ約9万人の捜査員を動員しているが、犯人の行方は分かっていない。
同署によると、23年2月に報奨金対象事件に初めて指定されて以降、同年12月末までに約30件の情報提供があった。事件発生から累計で約170件の情報が寄せられているという。
5日は、同市市東品治町のJR鳥取駅で同署の柴田亙署長ら19人が立て看板や横断幕を設置し、通勤客や観光客など県内外の駅利用者に、ティッシュを配りながら情報提供を呼びかけた。
柴田署長は報奨金対象事件の指定で多くの情報提供があったと語り「どのようなささいな事でも情報を寄せてほしい」と期待を込めた。
情報提供はフリーダイヤル0120(110)572。
(吉金亮太)