旧暦の2月15日は釈迦(しゃか)が入滅(死去)した日とされる。訪れた人に仏教に関心を持ってもらおうと、各寺は横たわる釈迦の周りで弟子らが別れを嘆く場面を描いた「涅槃図(ねはんず)」を飾る。涅槃図の見方を善導寺(松江市和多見町)の本田定裕住職(70)に聞いた。
(報道部・林李奈)


[関連記事]涅槃図を特別公開 出雲・一畑薬師

 涅槃は永遠の安らぎの境地、さらには煩悩から解き放たれた悟りの境地を意味する。釈迦の命日である旧暦の2月15日に合わせて2月に涅槃図を公開する寺院が多い。現存する日本最古の涅槃図で金剛峯寺(和歌山県)の国宝「絹本著色仏涅槃図(けんぽんちゃくしょくぶつねはんず)」などが有名だ。

 善導寺の本田住職は「お釈迦様でも死んでしまう、この世の無常を伝える役割がある」と話す。
 

善導寺と一畑薬師の涅槃図の違い


 善導寺の涅槃図の大きさは縦3・2メートル、横1・8メートル。江戸時代の1664年に制作され、昨年修復を終えたばかりだ。...