【出雲】釈迦(しゃか)の命日とされる15日に合わせ、出雲市小境町の一畑薬師で1日、釈迦が沙羅(さら)双樹の下に横たわり亡くなる場面を描いた彩色仏画「涅槃(ねはん)図」の特別公開が始まった。15日まで。入場無料。
一畑薬師の涅槃図(縦2メートル、横2・5メートル)は昭和初期の作品で作者不詳。参拝者に釈迦への親しみと仏教に関心をもってもらうことを目的に、毎年この時期に公開する。
横たわる釈迦を弟子や動物、生き物が囲み、死を悲しみ嘆く様子を描く。解説パネルを合わせて展示し、釈迦の母・摩耶夫人(まーやぶにん)が天上から降臨する際に鳥に邪魔をされて薬袋を届けられなかったことや、干支(えと)は釈迦の元へ駆けつけた順番で決まった説などを紹介する。
訪れた安来市神庭町の会社員中村正範さん(53)は「初めて見た。動物が細かく描かれ、人の表情もそれぞれ違う。色鮮やかできれいだ」と話した。
(藤原康平)