鳥取県は5日、米子市の認定こども園で、副園長の男性が園児に大声を上げ、心理的虐待に当たる怖い思いをさせたなどとして、同園に対し児童福祉法に基づく改善指導を行った。米子市も把握しており同日、子ども・子育て支援法に基づく改善指導を行った。

 県によると副園長は2月、園児に大声で話しかけたり、同園に意見を言ってきた特定の保護者の名前を挙げて「子どもは誰だ」と大声で威嚇するような発言をしたりしたという。

 職員への聞き取りで複数の園児が怖い思いをしたことが分かり、心理的虐待に当たると判断した。登園を嫌がったり、大人の男性に拒否反応を示したりする子がいたという。

 また、副園長とのやりとりを録音しようとした同園の職員たちに対し、その面前でICレコーダーを複数回、机や床に投げつけて壊すなど、ハラスメントに当たる行為もあったという。

 県の聞き取りに対し、副園長は「自分の声はもともと大きいから、そう思われてしまったのではないか」と話しているという。

 保護者から2月中旬、県に施設内虐待の通報があったという。県と市は改善指導でそれぞれ、施設内虐待とハラスメントの再発防止、保護者への説明などを求めており、今月25日までに改善報告を提出するよう同園に指示した。

 同園は県が開設を許可し、2019年3月に設置された。職員数は12人で、0~5歳児約30人が通っている。

(福間崇広)