第六章 来去来(五十八)

 うちの叔父が、梅(うめ)治(じ)という種(うえ)樹(き)屋(や)やて話したことあるやろう。草木の手紙商いをした種樹屋連中の一人や。その叔父が、勝ち目のない戦やったと言...