①腰に手を当て足を肩幅ぐらいに開く。椅子の背などにつかまってもよい。つま先をやや外向きにして立ち、膝を軽く曲げる
①腰に手を当て足を肩幅ぐらいに開く。椅子の背などにつかまってもよい。つま先をやや外向きにして立ち、膝を軽く曲げる
②3秒かけてお尻を引くように下ろす。膝はつま先より前に出ないように、できればももと床が平行になるくらいまで下ろす。「1、2、3」と声を出しながら3秒かけて膝を伸ばしきる直前まで立ち上がる
②3秒かけてお尻を引くように下ろす。膝はつま先より前に出ないように、できればももと床が平行になるくらいまで下ろす。「1、2、3」と声を出しながら3秒かけて膝を伸ばしきる直前まで立ち上がる
①腰に手を当て足を肩幅ぐらいに開く。椅子の背などにつかまってもよい。つま先をやや外向きにして立ち、膝を軽く曲げる
②3秒かけてお尻を引くように下ろす。膝はつま先より前に出ないように、できればももと床が平行になるくらいまで下ろす。「1、2、3」と声を出しながら3秒かけて膝を伸ばしきる直前まで立ち上がる

 特に男性の方は若い頃、逆三角形の体形を目指して一度は筋力トレーニング(筋トレ)に励んだことがあるかもしれません。その一人の私も含め、筋トレはなかなか長続きしません。その原因として、筋トレで成果を上げるには、重たい負荷を何回も上げ下げしないといけないことがあります。

 もし「従来の筋トレよりも軽い負荷なのに、筋力増加効果は同程度のトレーニングがある」と言われたら「そんなうまい話があるか」と疑われるかもしれません。しかし、実際にそんなトレーニングがあるのです。

 それが「スロトレ」と呼ばれる新しい筋トレです。スロートレーニングの略で、正式には「筋発揮張力維持スロー法」と呼ばれます。筋肉研究の第一人者、石井直方東京大教授らが開発した、日本発祥の画期的なトレーニングです。今日はそのスロトレを紹介します。

 やり方はごくごく簡単です。動作の基本は「ゆっくり3秒かけてあげて、3秒かけて下ろす」こと。動作中は、関節を伸ばしきって固定するような姿勢はとりません。スクワットなら膝を、腕立て伏せなら肘を伸ばしきらないということです。何もないところで椅子に座る体勢になる「空気椅子」がありますが、この空気椅子に座った状態を維持しながらトレーニングを繰り返すイメージです。

 では、なぜこの動きで従来の筋トレと同等の効果があるのでしょうか? 分かりやすく言えば、スロトレは筋肉の仕組みを利用し、軽い負荷でもハードな運動をしたと筋肉に「勘違い」させます。

 メカニズムを簡単に説明すると、筋肉はグッと力を込めると硬くなり、血管を押しつぶすために血液の流れが阻害されます。肘や膝を固定しないスロトレは、この血流を制限した状態のまま動作を繰り返すため、筋肉の中が低酸素環境になり、筋肥大の強い刺激になると考えられています。

 このメカニズムによって、ジムでつらい筋トレを長時間行わなくても、効率よく筋肉を鍛えられるのです。

 具体的なスロトレの方法と効果については次回、ご説明します。

 今日の運動はスロトレの一つ、スロースクワットです。下半身全体の筋肉を鍛えて足腰を強くします。今までご紹介したスクワットとはちょっと違いますよ。

    (島根大准教授)

 =第2、第4月曜掲載=