
ー 「遠赤エコセラ」技術を採用した保温・消臭商品や空気清浄機の開発が注目を集めています。ギフト業界から異業種参入したきっかけは。
全国のシャディ提携店に島根の素材を生かした加工食品を卸す関連会社を運営する中で、以前から島根発のものづくりを加えたいと思っていました。
遠赤外線を商品化に生かすための塗布技術に興味を持ち、研究機関からデータを取り寄せて知見を重ねてきました。保温と除菌機能を持つ靴の中敷きや足袋を島根県内外に販売しています。
懸命に働く姿が一緒に働く職員にも刺激となり、人手不足の解決の糸口になるだけでなく、サービスの質の向上につながると期待しています。

ー 研究所が持つ技術を詳しく説明してください。
断熱と遠赤外線放出効果がある10~50ミクロンのセラミックビーズを含む特殊塗料を素材にコーティングする技術です。塗料に含まれる二酸化チタンの光触媒の働きにより、ウイルスや細菌の分解を進めます。
県外の研究機関で行った試験では、ウイルスを不活化する(感染力を弱める)効果があることが分かっています。これまで商品化につながる特許を4件、実用新案権を1件取得しました。
ー 遠赤エコセラハニカム空気清浄機を開発した経緯は。
病院内のウイルス感染の防止に役立てたいとの思いが出発点です。
当社は、通常の空気清浄機のようにフィルターで空気中のものを吸着するタイプではなく、蜂の巣形状をした独自の「ハニカム基材」の中を通してウイルスや細菌、悪臭成分を不活化します。
無料でハニカム基材を定期交換できるレンタル式を採用しており、病院やホテル、企業の応接室などで利用されています。

ー 今後の商品展開は。
寝袋と焼き芋機です。能登半島地震では、避難先での防寒対策があらためて課題になりました。当社の技術を生かし、避難先でも夜を温かく過ごせる商品ができないかと考えています。
焼き芋機は地元の石を使い、5~10分程度で温められるようにするのが目標です。出雲神話にちなんだ物語性のある商品名にしたいですね。

仕事で中長期の目標を立てたら「自分との約束事」として取り組んでほしいです。若いうちはチャレンジすることを恐れないこと。チームワークを大切にし、経理や労務を担える人材を求めたいと思います。

小林知男=島根県雲南市木次町生まれ(86歳)。
家業の魚市場を経て、小林折箱店を創業。1971年にシャディこばやしの前身に当たる小林ギフトを開業。1988年グループ会社としてギムティを設立。2015年、遠赤エコセラの研究を開始し、殺菌・除菌機器や空気清浄機の開発、販売を行う遠赤エコセラ研究所を2021年に設立。行動力みなぎる姿で全国を飛び回っている。
遠赤エコセラ研究所












