ー 今年で創立40周年を迎えます。

組合員数は7万2千世帯以上となりました。生協と言えば真っ先に宅配事業が思い浮かぶかもしれませんが、人と人とのつながりから生まれる活力を基盤に、暮らしに役立つ事業を進めてきた組織です。共同購入を介した組合員同士のおしゃべりや交流を通して得られる人の暮らしへの共感が、活動の原点であることは変わりません。

毎年1千世帯の組合員に行うアンケートで暮らしに関する声を拾い上げ、事業に生かしています。人との結びつきで得られた信頼により、40年続いてきたと考えます。

ー 22年前に始めた「おたがいさま」は島根県外にも広まっています。

日々の暮らしで困りごとを抱えた利用者と、誰かの役に立ちたい応援者をつなぎ、有償で助け合う仕組みです。庭や墓の掃除、買い物代行、入院時の付き添いのほかに、同窓会出席時の介助など応援内容はさまざまで、組合員以外にも幅広く利用されています。

介護保険などでは対応できない困りごとの解決と地域コミュニティー再生につなげています。

ー 2月に益田市と地域活性化包括連携協定を結びました。

島根県内の全16市町村と災害時の生活物資の提供に関する協定を結んできました。新たに子育て支援や高齢者の見守り、そして地域の活性化につながる活動を支援する内容です。組合員の子育てサロンを開放するなど、組合員でなくても参加してもらえる取り組みを進めたいと考えています。

ー どのような生活協同組合を目指しますか。

急速に少子高齢化やコミュニティーの衰退が進んでおり、将来の見通しが立てづらい社会になっている印象があります。物価高に加え、最近はバスの減便や路線廃止の問題も顕在化し、先々の生活に不安を感じる人は少なくありません。これからも人と人とのつながりを大切にして、「共に生きる」を応援し続ける組織でありたいと思います。

デジタル化が急速に進む中、それでも大切にしていきたいのが、顔と顔を合わせお互いを思いやる心での会話です。県内の生協組合員は72,000世帯です。商品のお届けをするたびに「お変わりありませんか」の一言が、組合員に安心と安らぎを与えます。そんな職場の一員として共に生きていきませんか。

安井光夫:島根県出雲市大社町出身(65歳)

大学卒業後、医療生協である松江保健生協に入協し、購買生協設立準備に携わる。1984年11月19日に生活協同組合しまね創立総会を迎える。以来40年にわたり生協運動まっしぐら。趣味と言えば、家事で様々な担当を受け持つ。卵焼き担当やゴミ分別担当、庭木やメダカ、昆虫などの生き物世話担当など多数。その他読書、ゴルフ等。

生活協同組合しまねHP