前田昭博さんには何度もお話をうかがっている。一貫しておっしゃっているのは、生誕地であり、現在も工房をお持ちの鳥取市南郊、河原町本鹿の自然が製作のモチーフになっている-ということ。

 「たとえば一面の雪景-一切の汚れの消えた神秘の世界。これが白磁へと展開します。また折に触れ、目にした草木の冬芽、つぼみなど心の中に眠っていたものが、器の形になってよみがえる、ということですね」とおっしゃっている。

 温和で優美な前田さんの作品の多くが...