木や竹を焼いた炭が「バイオ炭」として生産者の注目を集めている。農地の土壌改良に役立つとともに、有機物中の炭素を土壌中に貯えることで温室効果ガス削減につながる「二刀流」の効果で、利用が広がりつつある。農業者にも温室効果ガス排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」が求められる中、環境保全型農業の新たな手法として期待される。

 出雲市斐川町沖洲の農事組合法人おきすは昨年、間伐した竹でつくったバイオ炭約1・8トンを混ぜた水田13アールでコメを栽培した。炭はアルカリ性で土の酸化を防ぎ、多孔質で微生物のすみかにもなる。10アール当たり収量は508キロで、炭を使わなかった水田より約15%多くなった。

 竹などの植物は腐る過程で、...